受講者向け情報

がんプロ修了者の声

がん専門医養成コース

谷本 梓(金沢大学 がん進展制御研究所 腫瘍内科 助教)

 腫瘍内科医を目標としていた私は初期臨床研修を修了後、大学院に入学するとともに「がん専門医師養成コース」を選択しました。それまでは臨床試験の参加などを通して臨床医としての研鑽を積むことはできましたが、基礎研究の経験がなかった私にとっては大学院生とはいえ再び初期研修が始まったような感覚でありました。幸いなことに、医局の指導医と実験助手の方々の厚いご指導により、予定通りの期間内に原著論文の作成を行うことができました。一方で、本コースの「がんプロキャンサーボード」で、他科の医師や他職種との症例検討会を数多く経験することで、臨床医としての幅を広げることができました。また、我が国を牽引する研究者を含む多くの講師陣が分子生物学から在宅医療まで各分野を解説した「がんプロe-learning」の受講は、キャンサーボードの出席とともに大学院の単位として認められ、学位取得を直接的に後押しする結果となりました。
 腫瘍内科医を目指す若手医師は、がんプロを修了させることで、「臨床腫瘍学会 がん薬物療法専門医」の受験資格を1年間早めることができます。私はその制度を利用し、卒後7年目で試験に合格することができました。がん薬物療法専門医に合格するために必要な情報量は膨大でありますが、実際に基礎研究を行い、がんプロe-learningで体系的な学習を行ってきたため、基礎と臨床の有機的な繋がりを意識して学ぶことができたのはがんプロ修了直後に受験できたメリットであったと思います。
 現在も腫瘍内科医として、病棟、外来、実験室を往復しながらトランスレーショナルリサーチを継続しております。多くの医師がPhysician Scientistとして臨床と基礎の視野をもつことで難治性の腫瘍に対する新たな治療開発に繋がると信じております。自身もがんプロで養成された医師として社会の期待に応えるべくこれからも精進してまいります。

リサーチマインドを有するがん医療人育成コース

盛田 大介(信州大学バイオメディカル研究所 助教)

 私は信州大学医学部附属病院小児科に所属し、主に白血病やリンパ腫などの小児がん診療に携わってまいりました。2013年4月に信州大学大学院・医学系研究科に進学し、同時にがんプロフェッショナル養成基盤推進プランのリサーチマインドを有するがん医療人育成コースを受講しました。本コースは臨床医としての経験を活かし、トランスレーショナルな研究を推進することを目標としており、まさに私の目指すがん医療人に近づくための良い学びの場であると思い、受講するに至りました。
 毎月行われる院内キャンサーボードへの参加は、多岐にわたるがん診療の臨床研鑽として非常に有意義なものであり、そこで得た知識や情報、ネットワークは実際に私のがん診療に大いに反映されました。私はがんプロ2年次に小児がん経験者のための長期フォローアップ外来を当院小児科に設立しましたが、そこでは成人期を迎えた小児がん経験者があらゆる二次がんを発症するという問題に直面しました。日ごろの小児がん診療ではそのような多岐にわたる成人がんの対応は困難でしたが、がんプロ育成コースでの経験により適切な対応を取ることができました。
 本コース受講中は中沢洋三教授の指導のもと、がん免疫療法のひとつであるキメラ抗原受容体T細胞の基礎研究に従事しました。キメラ抗原受容体T細胞の培養方法を新たに開発し、遺伝子導入効率を上げることで臨床での実用性を高めることに成功しました。そしてその技術が採用されたキメラ抗原受容体T細胞療法が厚生労働省の認可を受けて、近く臨床試験が行われる予定です。
 本コース受講により、幅広い視野をもつがん診療の教育を受け、さらにはトランスレーショナルな研究に従事できたことはこの上ない喜びであり、私を指導して頂いた小泉知展教授、中沢洋三教授を始めとする多くの方々に心から感謝致します。また今後は、本コースで培った知識や経験を後進の教育につなげていきたいと考えています。

がんプロフェッショナル養成コース

葛西 傑(金沢医科大学医学部腫瘍内科学)

 私は金沢医科大学医学部腫瘍内科学に所属し、平成27年度より大学院入学、がんプロフェッショナル養成コースを選択しました。
 腫瘍内科学は、がん患者を全身的治療によりケアする分野であり、消化器や呼吸器などの臓器を問わず臓器横断的な治療を行います。また腫瘍内科学とは、基礎腫瘍学を臨床に応用する医科学のことであり、腫瘍側因子・がんの生物学的特性、薬物動態などの知識も当然必要となります。さらに腫瘍内科医は、がん性疼痛の緩和・他の診療科や各種サービスとの連携を取り、がんの集学的治療の中心になることが求められます。
 本コースの最大の特徴は「e-learning」であり、自分自身の都合に合わせて受講でき、気になる内容に関しては繰り返し視聴可能です。がん治療は全身管理が必要となるため、多岐にわたる領域の知識が要求されます。「e-learning」では、外科治療、内科治療、放射線治療など治療だけではなく、病理組織像などの診断学についても学習することができます。さらに「e-learning」では、診断から治療において臨床腫瘍学の知識を持つ各専門家による授業のみならず、基礎医学、緩和医療、栄養学等、治療を行う上で助けとなる重要な各領域の授業もあります。
 また、がんプロフェッショナル養成コース関連の様々な企画があります。ビデオ会議等を用いた多施設による症例検討やがん関連の講演が数多く執り行われ、自施設以外での症例や最新の知見などをリアルタイムで学ぶことも可能となっています。
 腫瘍内科医は基礎医学、臨床医学双方の知識を要求されるため、双方を学ぶことができる本コースは今後の実臨床を行う上で非常に有用と考えています。

がん看護専門看護師コース

瀧澤 理穂(石川県立看護大学大学院博士前期課程 実践看護学領域・成人看護学分野本科生2年)

 2016年の4月、私は本学大学院のがん看護専門看護師コースに進学しました。臨床を経てから改めて学ぶ看護理論や看護研究は非常に奥が深く、患者や医療現場で起こった現象を捉え直す機会となり、刺激的な毎日でした。がん看護専門看護師の臨床実習では、広い視野から多角的な情報を関連させて、時間経過や他者との関係性から患者の全体像を捉え、介入すべき課題を焦点化することの重要性に気付きました。また、自分の看護について、積極的に言語化・可視化していく必要があることを学びました。
 チーム医療の必要性が叫ばれて以来、患者と関わる機会が多い看護師は、常に実践や調整という重要な役割を求められています。患者を中心とし、多方面から支えていく医療を提供していくためには、多職種が協働し、専門性とそれぞれの思いを充分に話し合う機会が必要だと考えます。その点においても、超少子高齢化地域での先進的がん医療人養成(北信がんプロ)のライフステージ事例検討会は、他施設の取り組みや、多職種の様々な価値観や思考に触れ、意見交換が出来る非常に有意義な機会となりました。今後は北信がんプロでの貴重な学びを糧とし、がん看護の向上のために精進していく所存です。