ご挨拶

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金沢大学

矢野 聖二

矢野 聖二

金沢大学医薬保健研究域
医学系呼吸器内科学
統括コーディネーター

矢野 聖二

文部科学省の「がんプロフェッショナル養成プラン」は、がん対策基本法が施行されました2007年にはじまった、がんの専門医療人材を養成する事業で、令和5年度から1期目か開始されました。1期目には「がんの均てん化」をテーマに全国18拠点/95大学が、2期目は2012年から、「教育改革、研究者育成、地域連携」をテーマに15拠点/100大学が、3期目は2017年から「多様な新ニーズに対応するがん専門医療人材養成」をテーマに、11拠点/80大学が取り組みを行いました。
そして、今回の4期目は、「次世代のがんプロフェッショナル養成プラン」として、11拠点/76大学が取り組みをはじめました。
私たちのグループでは、1期・2期は北陸三県の金沢大学、富山大学、福井大学、金沢医科大学、石川県立看護大学が連携し、5大学による「北陸がんプロ」として活動しました。3期目には新たに長野県の信州大学が参画し、活動を北陸・長野の北信地域に広げ、6大学による「北信がんプロ」として取り組みをしました。

4期目の今回は、「次世代北信がんプロ」として、新たに長野県看護大学が参画し、金沢大学、信州大学、富山大学、福井大学、金沢医科大学との6大学で活動しています。
令和5年3月に閣議決定された第4期がん対策推進基本計画では、「誰一人取り残さないがん対策を推進し、全ての国民とがんの克服を目指す」を全体目標とし、「がん予防」、「がん医療」及び「がんとの共生」の分野別目標を定め、これらの3本柱を支える基盤整備のひとつとして、「人材育成の強化」を推進することとなりました。
第4期のがんプロには、①がん医療の現場で顕在化している課題に対応する人材、②がん予防の推進を行う人材、③新たな治療法を開発できる人材、等のがん専門医療人材の養成が求められております。
次世代北信がんプロでは、北信地域が全国平均と比較し15年以上進んだ超少子高齢化社会であり、診断から治療・終末期医療まで、全医療を居住地域で受ける患者が多いことを地域の特徴として捉え、今回は「北信のシームレスながん医療を担う人材養成」というテーマを掲げています。本事業では、診断から治療・終末期医療まで質の高い医療を患者の居住地域でシームレスに提供する多職種チーム医療人材を戦略的に養成してまいります。
令和6年4月から、大学院正規課程として15の教育コースが立ち上がります。また、社会人医療従事者が受講できるインテンシブコースも10コース立ち上げる予定です。いずれのコースでも、切れ目ないがん医療提供に必要な専門分野以外のがん医療分野の最新情報を学修できるe-learningやWEBによるセミナーを受講することができます。
インテンシブコースは受講登録をすれば無料で受講できますので、自己研鑽・生涯教育の一環として活用していただければと存じます。
次世代北信がんプロでは、地域がん医療を支えるがん医療人の養成に努めてまいりますので、ご支援・ご協力を賜りますよう何卒よろしくお願い申し上げます。

2024年02月29日

富山大学

林 龍二

林 龍二

富山大学附属病院
臨床腫瘍部
総合がんセンター長

林 龍二

次世代北信がんプロにおける富山大学の役割
富山大学大学院正規課程コースでは「がんチーム医療実践コース(医学部)」、「腫瘍循環器学コース(医学部)」、「がん治療において地域医療に貢献できる薬剤師および新規がん治療薬開発研究者養成コース(薬学部)」の3つのコースを設置しています。
これは「がん医療の現場で顕在化している課題に対応する人材の養成」を目指すために今回の次世代がんプロ事業開始に当たり新たに設置しました。次世代北信がんプロのテーマである「シームレスながん医療」にまさに直結する課題で、様々な患者さんの多様なニーズに対応することを目的としています。個々の患者さんの求めに応じるためには従来の医師のみによる診療だけではなく看護師、薬剤師はもちろんのこと、ソーシャルワーカーや地域のケアマネージャーなど多職種と共同したチーム医療の構築が何より大切となります。このため富山大学では「がんチーム医療実践コース」を設置し、シームレスな診療を担う人材を養成します。また、新たな学際領域として「腫瘍循環器病学」が注目を集めています。富山大学では今まではあまりがん診療とは縁がないように思われていた循環器科との共同により「腫瘍循環器コース」を立ち上げました。循環器学とは主に心不全、高血圧などの動脈硬化症、血管内で血の塊ができる血栓塞栓症などを専門に扱います。こうした疾患は実はがんに罹患した患者で高率に発症することが知られており、両者合併例を連携して診療することがとても大切です。それぞれの専門家が連携して、専門だけに偏らない人材育成を目指します。さらに、主に薬学を専攻する受講者を中心として「がん治療において地域医療に貢献できる薬剤師および新規がん治療薬開発研究者養成コース」を設置し、地域薬局に対応し、新規治療にも貢献できる人材を養成します。このように時代の流れとともに変わる必要性を的確にとらえて、そこに対応する高度人材を養成することががんプロ事業であり、特に富山大学では北信地域で必要とされる人材を養成することを目指してまいります。5年後、10年後には皆様のお役に立つ高度人材が北信地区のがん診療を支えてくれることを願っております。

2024年02月29日

富山大学
次世代がんプロWEBサイト

福井大学

廣野 靖夫

廣野 靖夫

福井大学コーディネーター
福井大学医学部附属病院
がん診療推進センター

廣野 靖夫

4期目が始まるがんプロフェショナル養成プラン(がんプロ)において、福井大学は2007年の第1期の開始からずっと地域との連携や在宅医療を重視してきました。がん治療において切れ目のない医療やケアを行うことで治療の継続性や患者・家族のQOLが向上すると考えられます。3期でも地域がん専門医コースや在宅栄養管理コース・在宅緩和医療コースを設置し、トータルケアを重視して様々な活動を行ってきました。
今期の次世代のがんプロフェッショナル養成プランにあたって、北信がんプロでは「シームレスながん医療を担う人材養成」を目標に掲げました。がん医療は専門化・細分化が進んでおり、施設や職種を超えた連携が必要になってきています。福井大学は本科生コースとして「統合型がん医療専門医コース」、インテンシブコースとして「シームレス型緩和医療コース」「シームレス型栄養管理コース」を開設します。診療科横断的な幅広い知識を持つ専門医の育成とがん医療の基礎の部分となる緩和ケアや栄養管理も習得した医療人の育成を主眼としていきます。これらのコースでは次世代のがん専門医を育成するのはもちろん、多職種の力でがん医療を進めていくために教育活動を行っていきます。その内容も最新の診断から治療、さらに終末期医療まで質の高い医療がシームレスで提供できるように、幅広い知識を習得してもらう予定です。そのために新たなe-learningを提供します。また、3期まで行ってきましたオンコロジーセミナー、福井大学独自の看護セミナー、大学内だけでなく地域の医療者も含めたがん医療に関する様々な内容のセミナー、新しいがん治療の流れを県内の医療機関や一般市民の方に伝えるための公開講座の開催やオンデマンド配信、がん医療情報冊子の作成・配布等も引き続き行う予定です。大学間での共同企画も考えております。福井大学が以前から力を入れてきました教育学部でのがん教育の講義や県内教職員向けがん教育教材の提供も引き続き充実させます。
北信地区全体で協力しつつ、次世代の医療人の育成に努め、地域全体のレベルアップを図ってまいりますので、皆様よろしくお願いいたします。

2024年02月29日

福井大学
次世代がんプロWEBサイト

金沢医科大学

安本 和生

安本 和生

金沢医科大学
コーディネーター

安本 和生

第4期がんプロ(次世代北信がんプロ)スタートにあたって
文部科学省が進めるがんプロフェッショナル養成プラン(「がんプロ」)も次世代の第4期(6年間)が計画され、金沢大を拠点とする北信エリアの富山大、福井大、信州大、長野県看護大と当学の総勢6大学が連携した「北信がんプロ」として採択されたことは大変喜ばしい限りである。今回次世代北信がんプロの目指すテーマは、「北信地域のシームレスながん医療を担う人材の養成」とされ、2023年9月キックオフミーティングを機に無事スタートをきった。
本4期がんプロの主なテーマは3つ。①がん医療の現場で顕在化している課題に対応する人材養成、②がん予防の推進を行う人材養成、③新たな治療法を開発できる人材養成である。国はこのがんプロ事業を通して「地域完結型医療」を推進目標としている。当院は、地域がん診療連携病院として県の指定を受け、過疎化・少子化・高齢化が進む遠隔地の能登地区(中能登・北部能登エリア)をおもに担当しており、まさに不足顕在化する様々な医療課題が存在する。
当学はテーマ①の「がん医療の現場で顕在化する専門人材の不在に対応する人材の育成」を目指す。本プロジェクトを通して質の高いがん医療者の育成を図り、地域医療にシームレスで安心と信頼を届けられる全人的個別化医療の実現可能な人材の養成」を目標として掲げる。すなわち、すべての患者や家族が安心して診断から治療さらには看取りに至るまで医療全体にわたり、個々の腫瘍特性から社会的背景までも考慮に入れた満足感のえられる最適な質の高い医療を提供できる人材を養成する。知識と経験、相互連携による柔軟な相互補完的教育による本次世代北信がんプロ人材養成プロジェクトから、次世代医療の担い手となる“真の医療人”をひとりでも多く輩出できることを切に願っている。

2024年02月29日

金沢医科大学
次世代がんプロWEBサイト

信州大学

中沢 洋三

中沢 洋三

信州大学医学部小児医学教室
信州大学医学部附属病院小児科
信州大学遺伝子・
細胞治療研究開発センター

中沢 洋三

信州大学の事業推進プロジェクトリーダーを務めさせていただく中沢と申します。前回の第3期北信がんプロでは、「超少子高齢化地域での先進的がん医療人養成」というテーマのもと、北信4県(石川県、富山県、福井県、長野県)の小児・AYA(思春期・若年成人)世代のがん患者の疫学調査とがんプロ大学院生の教育を担当させていただきました。その成果として、北信4県の小児がん・AYA世代のがん診療の実態を迅速かつ的確にお伝えできるデータベースを構築することができました。今後も引き続き、北信4県の最新の小児がん・AYA世代がん情報を医療者および県民の皆様にお届けしていきたいと考えております。
さて、今回の第4期北信がんプロでは、「北信のシームレスながん医療を担う人材養成」をテーマに、①がん医療の現場で顕在化している課題に対応する人材、②がん予防の推進を行う人材、③新たな治療法を開発できる人材を養成することになりました。
②に関しては、偶発的に遺伝性腫瘍の素因が発見された患者・家族のケアとサーベイランスを担う人材と、希少がん患者・遺伝性がん患者・小児がん経験者に対する二次がん予防の継続的なサポートを行う人材の養成が急務です。そこで、信州大学では大学院院修士課程に「シームレス型がん予防推進認定遺伝カウンセラー養成コース」を設置し、小児・AYA世代から高齢者まで世代を超えて、個別化予防〜がんゲノム医療〜遺伝性腫瘍〜緩和ケアまでシームレスに見通した上でがん予防を推進できる認定遺伝カウンセラーを養成したいと考えております。
③に関しては、免疫チェックポイント阻害薬による免疫療法が奏功しない患者やがん遺伝子パネル検査に基づいた分子標的治療が適応とならない患者に対する新規がん免疫療法を開発できる人材の養成が期待されています。そこで、信州大学では大学院院博士課程に「遺伝子・細胞治療研究者養成コース」を設置し、CAR-T細胞療法などのがん免疫療法・遺伝子治療を理解し実践できる医療人材、新規の遺伝子・細胞治療を研究開発できる基礎・臨床研究医、再生医療等製品の臨床開発に精通した創薬研究者を養成したいと考えております(遺伝子治療認定医・認定技術士)。
これらのがん医療人材を養成することによって、北信4県のがん医療の発展に尽力したいと考えております。何卒宜しくお願いいたします。

2024年02月29日

信州大学
次世代がんプロWEBサイト

長野県看護大学

柳原 清子

柳原 清子

長野県看護大学
看護学研究科
成人看護学

柳原 清子

⻑野県看護⼤学は、「次世代北信がんプロ」第4期から参加させていただきます。北信がんプロ6校の中で唯一の看護の単科大学であり、がん看護専門看護師(がんCNS)の育成を行っています。
北信がんプロのテーマは、「北信のシームレスながん医療を担う人材養成」にあります。このシームレスには、4つの視座が含まれています。1つ目は、地域包括ケア時代の医療機関-在宅ケアの継続性での場の連携(システム)、2つ目はがん患者・家族の発達段階を踏まえての包括的支援(がん看護)、3つ目は発病から終末期までの一貫性のある、がん患者・家族の「つらさDistress」への支援(がん看護)、4つ目はがん高度医療における専門職間の連携(IPW)です。
本学は⻑野県の⼤学であり、県のがん対策推進条例に則り、信州大学やがん診療連携拠点病院と連携してシームレスに活動しています。具体的には、北信がんプロ研修事業や公開講座を通して、がん患者・家族のための「 “つらさへのケア”の技術開発」や「支援システム開発」を今後も行っていきます。同時に地域の看護専門職支援として、『がん看護アドバンス研修』を計画し、幅広い看護師を対象とした研修をインテンシィブコースとして開設しています。
さて専門である「がん看護学」では、大学院におけるがん看護専門看護師の教育プログラムとして、⼩児・AYA世代から⾼齢者までの幅広い年代でのライフサイクル、および発病から終末期までの一貫性のある“つらさへのケア”の、緩和ケア教育/研修およびeラーニング教材の開発を行っています。
また、がん高度医療における専門職間連携の推進では、インテンシィブコース『IPW緩和ケアコース:多職種協働事例検討』を連続プログラムで行っています。IPW(Interprofessional Work)とは、複数の領域の専⾨職者が各々の. 技術と役割をもとに、共通の⽬標を⽬指す協働のことで、WHOで推奨されている活動です。がん医療においては、医療者の協働する力が求められ、「協働力の涵養」が教育/研修目標としてあげられています。

以上の「北信のシームレスながん医療を担う人材養成」を長野県看護大学は担っていく所存です。皆様のご支援・ご協力を賜りますよう何卒よろしくお願い申し上げます。

2024年02月29日

長野県看護大学
次世代がんプロWEBサイト