ご挨拶
がんプロフェッショナル養成プラン(がんプロ)は、がん対策基本法が施行された2007年から開始され、今年で3期目を迎えます。本事業は、文部科学省の大学間の連携による「がん医療人材養成拠点」において、各大学の特色を生かした教育プログラムを構築し、がん医療の新たなニーズに対応できる優れた「がん専門医療人材(がんプロフェッショナル)」を養成することで、我が国におけるがん医療の一層の推進を目的として実施されています。
北信がんプロでは、北信4県(長野県、富山県、石川県、福井県)の平成27年の生産人口(15-64歳)が全国平均の平成42年のそれよりも少ない(総務省統計局統計データより)ことから、北信地域を超少子高齢化地域と位置付け、「超少子高齢化地域での先進的がん医療人養成」をテーマに掲げました。第3期の北信がんプロでは、第2期までの北陸がんプロ(金沢大、富山大、福井大、金沢医大、石川看護大)の実績を踏まえ、全国初の遺伝子診療部を設立し先駆的ゲノム医療を行っている信州大を加えた国公私立の6大学で、県の枠を超えた北信地域で戦略的にがん医療人を育成するシステムの構築を目指します。
がんは、我が国の死因第一位の疾患で、生涯のうちに約2人に1人が罹患すると推計されるなど国民の生命及び健康にとって重大な問題となっており、新たながん対策が求められています。北信がんプロでは、がんゲノム医療、小児がん、希少がん、AYA(Adolescent and Young Adult)世代や高齢者等のライフステージに応じたケアに対応できる医療従事者を養成してまいります。
また、市民の皆さんに正しいがんの知識を持っていただき、検診受診による早期発見、早期治療、早期社会復帰ができる社会の実現に向けて、ホームページや市民公開講座などで情報を発信してまいります。
北信がんプロは、北信4県のがん拠点病院などの医療機関、医師会、行政、患者会とも連携して活動してまいりますので、ご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。
平成29年9月25日
北信がんプロ統括コーディネーター
金沢大学がん進展制御研究所腫瘍内科
金沢大学附属病院がんセンター
矢野聖二
北信がんプロ概要
本事業は、文部科学省の大学間の連携による「がん医療人材養成拠点」において、各大学の特色を生かした教育プログラムを構築し、がん医療の新たなニーズに対応できる優れた「がん専門医療人材(がんプロフェッショナル)」を養成することで、我が国におけるがん医療の一層の推進を目的として実施されており、超少子高齢化地域での先進的がん医療人養成(北信がんプロ)では、2期の北陸がんプロ(金沢大、富山大、福井大、金沢医大、石川看護大)の実績を踏まえ、先駆的ゲノム医療を実施し、平成7年に全国初の遺伝子診療部を設立した信州大を加えた国公私立の6大学で、県の枠を超えた北信地域での戦略的がん医療人育成システム構築を目指します。
がんは、我が国の死因第一位の疾患であり、生涯のうちに約2人に1人が、がんにかかると推計されているなど、国民の生命及び健康にとって重大な問題となっており、新たながん対策が求められています。
「今後のがん対策の方向性について」(平成27年6月)や、「がん対策加速化プラン」(平成27年12月)などにおいては、ゲノム医療の実用化に向けた取組の加速化、小児がん及び希少がん対策、AYA(Adolescent and Young Adult)世代や高齢者等のライフステージに応じたがん対策のほか、緩和ケアに関する教育の推進等が、新たなニーズとして求められています。
北信がんプロの実施事業

- 6大学の強みを生かした最先端がんゲノム医療、小児・AYA世代・希少がんの集学的治療、ライフステージに応じたケアを大学の枠を超えて学習できる、共通科目や単位互換を導入した相互補完的教育コース(本科10、インテンシブ9)を新設します。
- 2期がんプロで構築したTV会議システムを発展させた北信オンコロジーセミナー等を定期開催し、遠隔教育により多施設・多職種連携を推進します。
- 免疫チェックポイント阻害薬使用例など特色ある症例の北信地域がんデータベースを構築し、学会・論文発表に使用して専攻生や教員の意欲を高めると共に、地域がん対策に活用し成果を社会に還元します。
- スタッフ研修として海外FD研修を実施し、最先端のゲノム医療や緩和ケア、グリーフケアなどの研修を実施後、研修参加教員による講習会を開き、feedbackします。
- 他のがんプロ拠点や、人材育成プログラムとも積極的に連携し、国際シンポジウム、合同シンポジウムを開催します。
- 市民啓発、がん教育活動の一環として患者会との連携や、北信4県の自治体、医師会、がん拠点病院と連携し、市民公開講座やシンポジウムを開催します。
これらの活動により、患者中心のチーム医療を行う超少子高齢化地域で活躍できる先進的がん医療人を輩出し、将来の日本の超少子高齢化社会におけるがん医療人材育成モデルを確立します。